医師や看護師、果ては看護学生まで医療従事者が使用する機会の多い聴診器。
胸やお腹などにあてることで心音や呼吸音などの小さな音を聞き取り異常がないか確かめることができる便利な道具ですが、機械式や電子式などの種類やタイプなどどのように選べばいいのか困っている方も多いはず。
また、看護学生でこれから聴診器を買おうと思っているけど、どれを選べばいいか迷っている方もいると思います。
そこで今回は、聴診器の選び方とや各通販サイトで実際に購入されているものの中から特に人気のおすすめ商品をランキング形式で紹介します。
種類や使い方に応じてどの種類を選べばいいのか解説するので、聴診器選びで迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
もくじ
聴診器の種類
聴診器を選ぶ際に重要な4つのポイントがあります。
「機械式」と「電子式」
聴診器は主に「機械式」と「電子式」の2種類に分類されます。
看護師が使う分には基本的には機械式を選べば問題ありません。電子式はより精密に聴診する際に使いますが、正直なところ電子式を使っている看護師を見たことはありません。
また、電子式は値段が非常に高価なこともあり管理にも気を遣います。
ゴム管を通して心臓や肺の音を両耳に伝える「機械式」
聴診器の中では最も一般的に普及しており、心臓や肺の音を聴くために使用される「機械式」の聴診器です。
聴診時にあてるチェストピースのサイズで成人用と小児用に区別されます。
看護師や看護学生が日常的に使う分には、こちらの「機械式」を選んでおけば間違いありません。
感知するのが困難な微弱な音を増幅して聴取する「電子式」
救急外来や救急車内など静かな状況を保てない場合や生体以外の非常に小さい音を収集するのに使用される「電子式」の聴診器。
外部音を低減して拾った音を増幅するため、呼吸器や心臓の専門医に特に人気があります。
一部のモデルではPCにリアルタイムで心肺音を送信できるものもあり、高齢者の多い現代で増え続ける訪問診療の現場などでも活躍中です。
「シングルタイプ」と「ダブルタイプ」
聴診器はチェストピースと呼ばれる集音部がどのようになっているかでタイプが分かれており、ダイヤフラム面のみの「シングルタイプ」とベル面の両方で聴診可能な「ダブルタイプ」があります。
それぞれ適した音域や範囲が異なるので、こちらもしっかりと押さえておきましょう。
シングルタイプ

集音可能な部分がダイヤフラム面だけのシンプルな構造の「シングルタイプ」は比較的大きな音を聴くのに適したタイプです。
体に接着させる面積が大きいため高周波帯域の音が聴きやすく、肺やお腹などの広い範囲を聴診できます。
ダブルタイプ

ダイヤフラム面とベル面を180度回すことで切り替えが可能な「ダブルタイプ」は、用途に応じた使い分けが可能なタイプです。
心音や肺胞音などの低音域の音が聴きやすくなっており、小さい音を聴くのに適しています。
特に理由がない場合は「ダブルタイプ」を選んでおけば大丈夫です。
用途に応じて選ぶ
血圧測定(看護学生、看護師)
水銀血圧計を使用して血圧を測定する施設はかなり少なくなっているかと思いますが、今でも水銀血圧計を使っている施設の看護師や看護学生にはコンパクトでマンシェットに挿入しやすいシングルサイドがおすすめです。
もちろん、シングルタイプでもダブルタイプでも血圧測定は行えますので将来的にダブルを使いたいという看護学生さんはダブルタイプでも構いません。
呼吸器系の聴診(看護師、救命救急士、リハビリ)
呼吸音を聴診する場合、正常音、異常音共に高調音に属する音が多いためダイアフラム面での聴診が適していますが、副雑音や肺胞音などの小さな音が聴き取りにくい場合など、状況に応じてダブルサイドが必要となる場合があります。
循環器系の聴診(医師、看護師、救命救急士、リハビリ)
心臓音の聴診では、高調音と低調音の両方から正常音・異常音を聴き取る必要があり、ダイアフラム面とベル面の使い分けが必要になります。
またⅢ音やⅣ音などの異常音や雑音は非常に小さく、慎重に聴き取らなくてはならないため、ダブルサイドのもの、特に微弱な音を聴く性能に優れている高性能機が適しています。
2チャンネル構造を採用し両方の耳で聴き取れるステレオタイプの聴診器も販売されていますが、こちらは従来のモノラルタイプよりも音の時間差や広がりなどが立体的に聴こえるため、大動脈弁疾患の逆流性雑音が方向性を持って聴き取れるなどより多くの診断情報を得ることができる利点があります。
最先端の技術により周囲の雑音を低減しながら微弱な音を大きく聴き取りやすくする電子聴診器も普及してきており、データを録音してPCに取り込むことも可能になっています。こちらはほとんどの場合、医師が使用していることが多いです。
消化器系の聴診(看護師)
消化器系では、ダイアフラム面を使用して腸蠕動音や腹部の動脈音を聴きます。
腹部の聴診は比較的聴き取りやすく判断がしやすいため、一般診療用のシングルサイドの聴診器で十分聴き取ることができますが、不規則な蠕動音と雑音をしっかりと聴き分けられる性能が必要です。
一般向け(医療従事者以外)
医療従事者が診察に使う以外にも聴診器の用途は広く、小児への家庭内聴診や妊娠時に胎児の心音を聞いたり、アパートやマンション購入時に防音性を確認するために使用されることもあります。
専門家ほどの精密な聴診を必要とされない場合には、お求めやすい価格のものでも十分に音を聞き取ることができます。
聴診器のおすすめ人気ランキング
ここからは、各通販サイトで実際に購入されているものの中でも特に人気の高かったおすすめ商品をランキング形式で紹介致します。
それぞれ特徴を解説していきますので、目的に合わせた商品を選んでください。
1位 リットマン ステソスコープ クラシックIII
『自分自身の未来に投資、誰もが納得する最高品質の名機』
機能性はもちろんデザイン性にも優れている人気の聴診器です。成人用と小児用を兼用して使用することが可能で、一体成型のサスペンデット・ダイヤフラムを採用。高い音響性能を有しており、小さな異音も聞き逃しません。
チューブ部分の素材も従来品より刷新され、耐久性も高く環境にも配慮した素材を使用しています。自分自身への投資としてぴったりな最高品質の製品です。
多くの看護師に愛用されており、カラーバリエーションも豊富です。信頼のおける製品です。
2位 Spirit 聴診器 エントリーモデル エコノミーS
1975年の創業以来「医療スタッフと患者の快適性」を旨に努力と研鑽を重ねてきたスピリットメディカル社が手がけるシングルヘッドのナース向け聴診器です。
集音部分はダイヤフラム面しかないシンプルな構造なので狭い範囲の音を聞き取るのにはあまり向いていませんが、肺やお腹など広範囲で聴診したい場合にはおすすめの商品です。
3位 リットマン ステソスコープ ライトウェイトII
『より使いやすい形に進化したナース用一般モデル』
サスペンデット・ダイヤフラムを採用することで患者にチェストピースを当てたまま押し当てる力の強弱のみで低周波音と高周波音の聞き分けを可能にしました。血圧測定の際にマンシェットに入れやすく体の線に合わせやすい楕円形のチェストピースを使用しています。
100gと非常に軽量で扱いやすく、ポケットなどに入れて手軽に携帯可能です。
4位 リットマン ステソスコープ カーディオロジーIV
『最高品質の音響性能を誇る聴診器』
こちらのモデルは成人・小児用のダブルタイプ聴診器の中でも最高レベルの音質を誇る聴診器です。進化した高感度バイノーラルによって立体音響性能が劇的に向上し、リットマンの最上位モデルと同等の性能を実現しています。
従来はリムとダイアフラムを組み合わせてチェストピースに装着していましたが、一体成型になることで段差がなくなり手入れがしやすくなりました。また、サスペンデット構造なので押さえつける力の強弱で周波音のモード切り替えも可能です。
5位 FOCAL focaltone expert
最初の医療行為である聴診を、聴音の質で支える。
聴音効率を高めるチェストピースの持ち方とは。
聴診時に効率的に聴音の切り替えができないか。
医療や介護の現場の声に耳を傾けることで、より使いやすく、高性能な聴診器が生まれました。
高性能・高効率な聴診器が、最初の医療行為である聴診を支えます。
6位 ケンツメディコ ナーシングフォネット
日本の繊細な職人技術がなければ絶対に作ることができない精度を誇るケンツメディコ。
「聴診器の音量」ではなく、「聴診器の音質」にとことんこだわっております。
聴診器に音量を追求してしまうと、本来聴こえてほしくない音(身体から発せられる音以外の音)まで拾ってしまい、良い聴診器とは言えません。
ケンツメディコの聴診器は、聴診器で聴きたい音だけを拾える【ノイズカット設計】になっているので、聴診器の本質的な良さを求めるドクターから絶大な人気を誇ります。
7位 Spirit 聴診器 エントリーモデル エコノミーW
カラー展開が豊富で全8種類から選べる外バネ式のダブルヘッドタイプ聴診器です。あまり精密な音の診断には向いていませんが、シャント音の聞き取りなど簡単な血流確認には十分な性能です。
本体重量は102gと軽量で持ち運びもしやすく、扱いやすいのもポイント。コスパが非常に良いので初心者におすすめのモデルです。
お手入れ方法
汚れてきたら
乾いた布で時々拭いて汚れを取ります。落ちにくい場合は石鹸水を浸した布で拭き、拭いた後はよく乾かしてください。
聴こえづらくなってきたら
長い間使用すると、小さなゴミや耳垢などがチューブ内に付着したりして聴こえづらくなることがあります。市販のエアクリーナーなどでチューブ内に空気を送って清掃するなどで、詰まりを取り除いてください。
また部品が劣化や破損してしまった場合には、部品を交換していただくことで聴音性能が回復することもあります。
消毒方法
患者に接触するチェストピース部分は、エチルアルコールを浸した布で拭いてください。
古くなったパーツは
消耗品であるイヤーチップ、ダイアフラム、リムなどはメーカーによって交換用のパーツをご用意することが可能です。
特に汚れが付きやすいイヤーチップは、予め本体と一緒にご購入いただくことをお勧めしています。
まとめ
重大な病床の手がかりを発見することもでき、医者や看護師にとっては欠かせない道具である「聴診器」。
看護師なら毎日使う聴診器、どうせなら気に入った一つをずっと使い続けたいですよね。
また、聴診器は色んなカラーバリエーションが発売されているので、自分のカラーを出しやすいです。
聴診器そのものの種類や集音部のタイプなど選び方は多いですが正しいものを使うことで聴きたい音を正確に捉えることが可能です。
この記事を参考に、医療現場でもしっかりと長く使える商品を選んでください。
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