前回の「4つのSTEPで国試対策」では、
①頻出分野を優先して対策すること
②正答率70%以上の問題を必ず解けるようにしておくこと
この2つを意識して勉強することが国試合格のための近道であるということを紹介しました。
今回はこのうちの①の頻出分野にフォーカスを当てます。
まず、看護師国試に頻出の上位5分野は以下のようになっています。
1位:基礎看護学
2位:健康支援と社会保障制度
3位:母性看護学
4位:成人看護学総論
5位:精神看護学
ここからは、このなかの上位3分野でどのようなテーマが問われているかを見ながら、問題の傾向や解き方などを紹介していきたいと思います。
もくじ
第1位 基礎看護学(31.2点/300点※国試1回分の配点)
この分野は、国試300点中31.2点(13.0%)を占める最重要科目です。
さらに、この内12.9点分が必修問題で出題されています。
必修問題は40/50点が合格ラインなので基礎看護学の学習をおろそかにすると、その時点で不合格になってしまいます。
この分野は最優先で勉強し、どのテーマの問題が出ても確実に答えられるようにしておきましょう。
出題テーマ | 1回あたりの配点 |
褥瘡 | 1.9 |
看護過程 | 1.5 |
フィジカルアセスメント | 1.3 |
経腸栄養法(経鼻経管/胃瘻・腸瘻) | 1.3 |
導尿 | 1.3 |
輸液 | 1.2 |
他職種間の連携・協働 | 1.2 |
患者の移動・移送 | 1.2 |
医の倫理/看護の倫理 | 1.0 |
採血 | 1.0 |
捨てたら確実に不合格
表をみてもらうとわかりますが、この分野のテーマは、褥瘡やコミュニケーション、看護過程など看護の基礎となる知識や考え方であるということです。
これは厚生労働省からしたら、看護師なら知ってて当たり前の知識となります。
基礎的な内容なので早めに得意分野にしておくことで、別分野の学習もスムーズに進みます。
必修問題が多く、基礎的な内容が多いこの分野では、まずは必修問題集に取りかかるのが大変有効です。過去問でも似たような問題が何度も出題されていますので、確実に点を取れるようにしておきましょう。
このテーマは捨てたらマジで落ちます。
必修問題での圧倒的な配点
この分野で確実に点をとらないと厳しい
第2位 健康支援と社会保障制度(28.5点/300点※国試1回分の配点)
頻出分野の第2位は健康支援と社会保障制度です。
近年、高齢化社会を迎えている我が国の健康支援と社会保障制度に対する関心の高さが伺えますね。
国試300点中28.5点(11.9%)と配点が高く、基礎看護学と同じく必修問題で10.5点も出題されているので“捨てたら落ちる分野”といえます。
先ほどと同様に頻出テーマの表をみていきましょう。
出題テーマ | 1回あたりの配点 |
精神保険福祉法 | 1.8 |
介護保険制度の概要 | 1.5 |
医療法 | 1.3 |
保健師助産師看護師法 | 1.3 |
医療保険制度の概要 | 1.1 |
地域密着型サービス | 1.1 |
国民健康・栄養調査 | 1.0 |
環境の変化と健康への影響 | 0.7 |
人口構成 | 0.6 |
世帯構造 | 0.6 |
暗記必須、覚えれば得点できる分野
この分野は他分野とは大きく異なり、精神保健福祉法や介護保険制度の概要、医療法などの法律、制度、統計といった暗記テーマがずらりと並びます。
暗記が苦手な人にとっては辛いテーマになりますが、覚えてしまえば得点できる分野です。
逆に言えば、覚えなければ得点できません。
出題される範囲も広いので、後回しにせず少しずつ学習を進めることをオススメします。
歴史の勉強のように年号を覚えたりする必要もあるので、自分なりに語呂で覚えるなど工夫が必要になってきます。
第3位 母性看護学(15.8/300点※国試1回分の配点)
意外にも母性看護が3位に入っています。
この分野が先ほどの2分野と大きく異なるのは、状況設定問題で7.6点も出題されている点です。状況設定問題は1問2点(必修・一般問題は1問1点)なので、得点源として活用できる分野です。
問題の傾向としては、状況設定で母親と児の継続看護の問題が多いです。
妊娠中の周期による母体の変化、胎児の変化、出産後の新生児の正常と異常はしっかり覚えておく必要があります。
出題テーマ | 1回あたりの配点 |
産褥の経過 | 2.3 |
新生児の生理 | 1.6 |
妊娠に伴う母体の変化 | 1.5 |
新生児の看護 | 1.1 |
母乳栄養/授乳 | 1.0 |
分娩第1期 | 0.9 |
妊婦の保健指導 | 0.8 |
新生児・乳児の反射 | 0.6 |
分娩経過 | 0.6 |
セクシュアリティ/ジェンダー | 0.5 |
妊娠の成立 | 0.5 |
状況設定問題で頻出の重要分野
頻出テーマは、なんといっても産褥の経過と新生児の生理。
これらは第100~110回の状況設定問題でほぼ毎回出題されているので、必ず学習しておきましょう。
状況設定問題の特徴は、なんといっても問題文が長文であるということです。
長文形式の問題では問題文の中から問題を解くために必要な情報を選び出す必要があります。
さらに長文を読み解くのが苦手な人は、過去問を繰り返し解いて長文読解に慣れておきましょう。
長文の問題文の中には、答えにつながるヒントが散りばめられています。
検査値の異常と正常、妊娠中や出産後の母体の変化、新生児の特徴や反射など、散りばめられたヒントを拾えるように知識をつけておく必要があります。
状況設定問題は得点が高いので、確実に得点を得られるようにしておきたいですね。
まとめ
以上が最新のよく出題されるテーマです。
頻出問題は必ず点が取れる問題が多いので、普段の勉強でも意識的に取り入れていきたい分野です。
出題の傾向はその年ごとに変わってきます。第112回ですと、新型コロナ関連の問題が出題されそうですね。新型コロナの特徴的な症状や治療方法、世界の感染者数など覚えておく必要があるかもしれません。
