看護記録が上手に書けなくていつも困る
適当に書くと点数下げられそうで再実習が心配だなぁ…
実習といえば何と言っても実習記録を書くのがメチャクチャ大変ですよね。
これで寝不足になっている学生さんも少なくありません。
適当に書くと低評価で再実習なんてことになりかねませんよね。
最初はだれでも上手に書けるものではありませんので、赤点を取らない記録の書き方を紹介していきたいと思います。
実習で好成績をとるためには、実習記録を充実させることが最も大切です。
ここで勘違いしている人が多いですが、記録用紙にビッシリ書いてくる人がいます。
用紙に空白があると不安になるっていう看護学生あるあるですね(笑)
ただ情報をたくさん書けば良いという事ではなく、患者の病態と置かれている状況を3側面(身体面・社会面・精神面)で理解し、「個別性」と「具体性」を上手に盛り込むことがとっても大切になります。
ここで、しっかり理解して書いておくと「この学生はしっかり患者が見えている」という高評価につながります。
以下①~④までのステップを意識して取り組むと、どんなに記録が苦手なズボラ学生でも好成績をとれる実習記録が書けますので、ぜひ参考にしてみてください。
ちなみに自分もズボラだったのですが、記録で赤点を取ったことはないので大丈夫です(笑)
1.しっかりと情報収集をしよう
患者の基本情報をカルテから収集
入院になった経過はカルテにしっかり記録されています。現病歴、既往歴、入院までの経過を忘れずにチェックしましょう。
毎日の看護記録では看護師と患者のやりとりなんかも記載されています。
本人や家族からも直接情報を得る
カルテから収集できなかった情報は、リストアップして患者か患者家族に聞きましょう
家族が面会にくる患者であれば、家族から患者の人となりなどを聞くことができます。
客観的な情報も忘れずに!
訪室した際に患者の表情や様子などベッドサイドからも情報収集します。
患者と話しているだけでは、時間がもったいない!
集めた情報は後から関連図に反映するので、意識しながら収集しましょう。
2.アセスメント
S情報とO情報の整理
S情報(患者の発言や言葉)とO情報(診察や検査から得られた事実)を正しく理解し、用紙にまとめます。看護過程に必要ないと思うものは省いて構いません。
根拠を調べる
得られた情報から、文献などを使用して根拠を調べます。
ここの段階で関連図を意識しながら根拠を繋げられると後々楽になります。
アセスメントしながら、情報が不足していたら翌日情報収集します。
例えば、検査数値で肝機能や腎機能の数値が上昇していたり、WBCやCRPが上昇しているのはなんでだろうと疑問を持ちながら情報収集とアセスメントを繰り返します。
ここで注意したいのは、アセスメントが感想や根拠のない予測にならないように!
しっかり文献を調べ「〇〇だから□□になる」と理論付けることが必要になります。
集めた情報から”患者は現在の状態から今後どうなっていくのか?”という予測や、リスクに対する自分の考えを根拠を踏まえて記述することが大切です。
3.関連図
素直に参考書などを活用する
今は参考書にわかりやすいテンプレートの関連図が載っています。
収集した情報を織り交ぜながら、個別性のある関連図を完成させましょう。
行き詰ったら、教員にアドバイスをもらうのが手っ取り早いと思います(笑)
見やすくするために、色分けしたり、付箋を用いて修正を効率的に行う
はじめに病態関連図を中央に書き、次にその症状から生じるさまざまな生活への影響を考えます(例:ADLへの影響、セルフケア不足などなど)
個別性を持たせるためには、入院による変化、生活習慣、家族背景、治療について、患者さま自身について記入すると、その患者さま特有の問題が見えてきます。
最初に大雑把に下書きを書いておいて、清書をすると綺麗に仕上がります。
付箋などで色分けすると見やすくなります。
4.看護目標・看護計画
看護目標・看護計画のポイントは自分以外の人が見ても理解できるかを意識する。
これは一人の患者さんを自分一人がずっと看るわけではないからです。
他の人が一つの看護目標に従って、同じケア・同じ観察を行わないと意味がないのです。
なので、誰が見ても理解できる内容の看護目標を立てましょう
看護計画は、疾患だけを観るのではなく、患者さんが暮らしてきた環境、不安や悩み、家族・介護者の様子など、患者さん自身に注目することで個別性が見えるようになります。
参考書の内容をそのまま使用すると、患者の「個別性」に繋がりません。
関連図を利用し、主疾患と副疾患に共通する症状や徴候を探してみると、個別性は見つかります。
患者の他の疾患と絡めてアレンジすると、「個別性」を踏まえた看護目標になります。
おわりに
最初はなかなか上手に書けないかもしれませんが、回数をこなすたびに書き方のコツがわかってくると思います。まず、ぼんやり患者を見るのではなく、患者の全体像を見て何が問題なのかをしっかりと捉えると、アセスメントしやすくなり関連図も書きやすくなります。
そうなると、問題の抽出も自然と出来るようになるので、ステップ1~4に従って着実に行い、看護目標と看護問題に繋げましょう。
「千里の道も一歩から」
まずはしっかりと情報を収集することが大切になります。
最後に一番大事なことを書きます。
学生を見ていると、結構やってしまいがちな失敗例ですが「看護目標」を凝りすぎすと失敗します。
看護師が患者にしてあげられることには限界があります。看護師は医者ではありません。
病気を治していくのは患者の治癒力と医者の治療が主体となります。
看護師の力はそれらをサポートしていくことになります。
ただし、医者よりも長い時間を患者のそばで寄り添うのは看護師です。患者の表情や言動・身体的な異常の早期発見が出来るのは看護師だけなのです。
そのことを理解して、看護師が出来る範囲で看護計画を立てる必要があります。
看護目標はあくまでシンプルでいいんです。
例えば急性期なら「疼痛がコントロールできる・痛みなく入院生活が送れる」という目標。
・痛みがあるなら医師に報告し、鎮痛剤を処方してもらう。
・頓服薬があるなら飲ませる。
・動くときに痛みがあるなら創部を手で押さえてもらう
・体位を整えるなど
慢性期なら「清潔を保持しながら入院生活を送ることが出来る」
・清拭・陰部洗浄・入浴・足浴・手浴・洗髪
・口腔ケア
・環境整備
このように看護に出来ることはたくさん色々あります。
良い評価を貰おうと思って難しい目標を立ててしまうと、ケアの介入が行いづらかったり、日々の評価がしづらいなどの問題がでてきます。
病棟で看護師が看護計画を立てるときも、意外とシンプルなんです。
学生の皆さんんも、難しいことを考えずに目の前の患者さんに今何が足りてないのか、何が必要なのかをシンプルに考えて、自分に出来る看護計画を立てられるようにしてみて下さい。
良かったら↓の書籍も参考にしてみてくださいね