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ファイザー製ワクチン、6か月後でも有効性91%と発表
ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンの有効性および安全性について、発表以来から様々な検証がされてきました。2020年12月に米食品医薬品局が許可した時点では、16歳以上での2回目接種後2カ月間のデータしか検証されておりませんでした。
今回、米・State University of New York Upstate Medical UniversityのStephen J. Thomas氏らが、12〜15歳のデータも加えて2回目接種後6カ月間の評価を行った結果を発表しました。
内容としましては、6カ月後でも安全性が維持され、有効性は約91%と高かったが徐々に減弱するものであると『The New England Journal of Medicine(2021年9月15日オンライン版)』に発表されてます。
論文の内容を簡単に見てみるとざっとこんな感じです。
16歳以上の4万人超および12~15歳の2,000人超を評価

現在進行中のファイザー製の新型コロナウイルスワクチンに対する試験では、昨年7月27日〜10月29日に16歳以上の4万4,165人、昨年10月15日〜今年1月12日に12〜15歳の2,264人を登録、ワクチン群とプラセボ群に1:1でランダムに割り付けました。
ワクチン群の2万2,883人、プラセボ群の2万2,767人が1回目接種後に21日間隔で2回目の接種を受け、今年3月13日をデータカットオフ日として6カ月の追跡期間における有効性および安全性を検討。
有効性は2カ月ごとに約6%低下するも、重症化抑制効果は約97%

有効性評価では、12歳以上で評価可能な新型コロナ感染歴がない4万2,094人のうち、2回目接種後7日以降にワクチン群の77人、プラセボ群の850人が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を発症。
ワクチン群の有効性は91.3%だった。年齢、性、国籍、人種などによる有意差は見られなかったとしています。
さらに、新型コロナ感染歴がある人も含めた有効性は、2回目接種後7日~2カ月時点で96.2%とピークに達し、2~4カ月時点では90.1%、4カ月~データカットオフ日時点では83.7%と2カ月ごとに約6%減弱したとしています。
時間の経過とともに減りはするけど、まだまだ高い数値を残してますね。これは医療者枠でかなり早い段階でワクチン接種した我々にとっては、とても興味深い数字でした。
また、1回目接種後に重症のCOVID-19を発症した31人中30人がプラセボ群で、ワクチン群の重症化抑制効果は96.7%であったとも記述しています。
やはり、この数値を見る限りではワクチンを打たないという選択肢は無さそうな気がします。
6カ月後も一貫した安全性

安全性評価では、局所反応がプラセボ群よりワクチン群で多く報告されています。
最も多かったのは軽度~中等度の注射部位疼痛でした。
全身反応もワクチン群で多く報告され、倦怠感が最も多かったが大半は軽度~中等度でした。
両群ともに重篤または試験中止につながる有害事象はほとんど発生してません。また、ワクチン接種に関連する死亡例はなく、アメリカで緊急使用許可がおりた際の追跡調査で示された安全性の報告と一貫してデータを示していました。
以上から、 Thomas氏らは「ファイザー製のワクチンは、12歳以上の集団で2回目接種後6カ月時点においても、COVID-19の発症を抑制する高い有効性を維持するとともに良好な安全性プロファイルを示した」と結論付けています。
おわりに

報道ではワクチンの副反応やワクチンに関連するかはわからない死亡症例が取りだたされ、「反ワクチン派」なんている言葉まで出回っています。
先日の無料ワクチン接種をした渋谷の騒動を見てもわかる通り、若い人でも8割以上はワクチン接種を希望しているにも関わらず、1~2割の反ワクチン派の意見ばかりに注目し報道するマスコミの報道姿勢に問題があるのは明らかだと思います。
病院でコロナ患者を受け入れていると、ワクチンを打ったか打ってないかで明暗がくっきり分かれます。色々な原因を加味してみても、ワクチンを打ってない方が入院後に重症になる確率はかなり高いと感じます。
しかし、こればっかりは任意接種ですから、強制もできません。
打たないでコロナで重症化しそのまま亡くなるか、もしくは生還できても後遺症を抱えて生きていくのか。ワクチンを接種して、安心を手に入れるかは本人の自由です。
今回のようなデータを参考して頂き、どちらを選んだ方が自分にとって有益であるかを考えて頂くきっかけになってくれれば幸いです。


