若いからといって油断は禁物
結構最近の出来事。
症例:20代男性、既往症なし、肥満なし、非喫煙者
感染して数日で呼吸状態悪化し自宅から入院。入院当初は酸素投与し経過を見るが入院2日目に呼吸状態が急激に悪化したためICUへ移動し気管挿管となる。挿管直後から体動が激しく危険な状態であったことからフェンタニル、プロポフォール、ミタゾラム、デクスメデトミジンで鎮静コントロールするも、今度は血圧が保てずノルアドレナリン開始。挿管チューブの違和感が強いのかバッキング頻発し覚醒していまうため鎮静剤増量するが逆に血圧が下がってしまい中々鎮静が効かせられずさらに体動が激しくなる。
その日の夕方、夜勤帯看護師に勤務交代した頃にはさらに体動激しくなってきており鎮静コントロールに苦戦。呼吸回数もかなり上昇しBGA結果から酸素化の悪化が見られたため、ベンチレーターのFio2やPeepを増加。結果的に肺損傷してしまいSpO2は80%台、血圧も徐々に下がりECOMO導入が検討されましたが、状態が悪く断念。結局、0時を過ぎたころから血圧はさらに低下、ノルアドレナリン増量し輸液全開投与するも状態改善することなく、亡くなってしまいました。家族も濃厚接触者であり自宅待機中だったため、死に目にも会えませんでした。
既往症もなく、なんのリスクもない20代の若者でも今回のケースのように亡くなってしまうんです。これが現実です。確かにメディアではこのようなニュースは表に出ませんし、若者は重症化しないから安全などとい誤解が広まっています。
ニュースやネットの情報だけでCOVID-19の実態を軽視するのはどうかと思います。大したことないからと不要不急の外出をしたり、イベントに参加したりするのはどうか止めてもらいたいと思います。
最近では家族間で感染が広がり、子供から両親が感染し両親が重症化してしまうケースも増えています。このようなことが日常的に起きているのです。
このブログを読んでいただき、みなさまにはもっと現場での実態を知っていただけたら幸いです。
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